近藤メンバーの過去原稿 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2004-08-15

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 博報堂の発行する『広告』誌が2004年8月号で大々的に名古屋特集を組んでいた。時期を同じくしてK.K.ベストセラーズの新雑誌『CIRCUS』の創刊第二号でもこの不況の最中、成長を続ける名古屋経済に注目した記事が組まれていたし、また、同年五月に発行された『週刊東洋経済』の臨時増刊「最強の名古屋」もかなり売れたという。地元企業トヨタが自動車業界では唯一外国資本に頼らず好業績を収め、さらに来年には中部国際空港の開港と愛知万博を控えていることもあって、どうやらいま名古屋がブームらしい(名古屋嬢なんてのも注目されてるみたいだし)。

 でもおまえら、来年万博が失敗したら、どーせ手のひらを返したようにまた名古屋をバカにすんだろ? そう思うと、愛知県人のわたしとしてはどうもいまのブームは気味が悪い。お願いだからそっとしておいてくれと言いたくなる。

 だいたい、ついこのあいだまで、ほかの地方出身者の名古屋観には、どこか日本人が自虐的に自国や自分たちを眺める目に似たようなものがあったと思う。たとえば貯蓄率が高く、新技術の開発に熱心で、そうした堅実さの反面、流行は東京や大阪の後追いでどこか田舎くささが抜けきらず、おまけに小倉トーストとか味噌カツとか変なもん食ってるし……などといった名古屋のイメージはまさに日本のイメージ(特に欧米から見た)そのものだろう。いわば名古屋は日本の中の日本として、日本人のスケープゴート役をこれまでずっと担わされてきたのではないか。それがいまになっていきなり全国から注目されるなんて、まるで自信をすっかり失ったやつが夜中に鏡を覗き込みながら、「いやいやおれだって、まだまだいける! 頑張れ、おれ」などとダメな自分を励ましてるみたいですごーくキモい。何だか悪い夢を見ているようだ。だったら早く醒めてほしい。

 まったくの余談ながら、わたしは以前、素人ヌード専門誌の編集者から「名古屋は女の子のガードが固くて、ナンパするにも一苦労ですよ」という話を聞かされて、やっぱり嫁をもらうなら名古屋の女だよなと思ったものだ。いっそ実家に帰って見合いでもしようか。

 (初出 『サブカル評論』第6号、2004年8月)