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ハンセン病【はんせんびょう】①『砂の器』で和賀英良の父親・本浦千代吉が罹患した伝染病。作中では「癩(らい)病」という名で呼ばれている(これについては「病名」の項を参照)。②主に末梢神経と皮膚が冒され、皮膚に結節・斑紋ができ、その部分が知覚麻痺を起こしたりするほか、眉毛・睫毛の脱毛、手足や顔面の変形、視力障害などといった症状も見られる。伝染力はきわめて弱いが、潜伏期間が3年から20年にもおよぶため、かつては遺伝性と誤解されたこともあった。また治療薬もなかったため、「業病」として家族や周囲の者たちから見捨てられ、『砂の器』の父子のように浮浪する患者も多かったという。③1907年に成立した「らい予防法」により、患者たちは公立・私立の療養所(公立療養所はのち国に移管)などに収容され、社会からの完全な隔離を強いられることになる。遺伝病という誤まった認識も根強くあったため、療養所内では、男女の患者が関係をもって子供をつくらないよう、男性患者に対して断種手術も行なわれていた。④1943年特効薬プロミンがアメリカで発明され、第二次大戦後には日本でも使用されるようになるが、「らい予防法」は1953年に改定はされたものの、その後も存続し、1996年にようやく撤廃される。その間も患者に対しては根強い差別が残った。⑤患者たちの不条理ともいえる体験からは、北條民雄の『いのちの初夜』など「ハンセン病文学」と呼ばれる一連の作品が生まれた。

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