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筒井康隆

筒井康隆

【つつい-やすたか】①小説家、あるいは現在では俳優としても知られる筒井には、一冊だけ『筒井康隆全漫画』というマンガ作品集がある。画はお世辞にも上手いとは言いがたいが、自身の小説のマンガ化など興味深い点は多い。余談ながら、同書のあとがきで筒井は、画はともかくカラス口で引いたコマの線には昔デザイン会社に勤めていたので自信がある、と妙な自慢をしている。さらに蛇足ながら、同書には無名時代の夏目房之介がアシスタントとして携わっている。②筒井だけではなく、現在マンガ以外のジャンルで活躍するクリエイターたちの中にも、かつてマンガ家志望だった、あるいは少しのあいだだけマンガに手を染めていたという者は多い。たとえば小松左京はモリ・ミノルの名でマンガ本を何冊か出しているし(最近作品集も出た)、藤子不二雄石ノ森章太郎などが投稿していたことで知られる『漫画少年』には横尾忠則黒田征太郎篠山紀信眉村卓などといった面々もマンガを描き送っていた。また、のちに湯村輝彦と合作『情熱のペンギンごはん』を発表することになる糸井重里は、大学に入ってまずマンガの道具一式を揃えたというし、泉谷しげるも『COM』に投稿するなど熱心なマンガ青年だった。そのほか、山田双葉の名でマンガ家をしていた時期のある山田詠美、映画の制作費を捻出するためマンガ雑誌の懸賞で稼いでいた岩井俊二など、同様の例は幅広い世代に見出すことができる。このことは、日本のマンガの裾野の広さをはっきりと示しているのではないだろうか。

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